あねご‥テツ、どうしたの目が真っ赤じゃないのよ。
テツ‥お久し振りっす、あねご。実は昨日寝てなくて今に至るです。
あねご‥あんたがわたしのところに来るってことは恋愛の相談しかあり得ないわよね。
テツ‥まーまーまーあねご、だまって聞いて下さいよ。お茶でもしながらでどうすか?
あねご‥お茶でもって言ってるけどあんたが出すどころかいつも食事代まで私持ちよね。まー出すけどね。
テツ‥さすがあねご。わかってらっしゃる。
というわけで、当然のようにあねごのおごりでファミレスでの席に着いた。
あねご‥で、今日は失恋なの?女の取り合いなの?それとも未成年をはらませたとか?
テツ‥あのね、最後のたとえばはヤバいっしょ。周りの客が一斉にこっち向きましたよ。
あねご‥ごめんごめん。あっ!そうか。喜多嶋の子供はあんたの子やったというオチなんやな。
テツ‥いやいや、はらませてないし鑑定もしてないしそもそも博打場に喜多嶋さんが来るわけないし。
あねご‥あっそう。じゃあ大したことじゃないみたいだし料理食べたらさっさと帰ってね、おっさん子供ちゃん。
テツ‥それを言うなら子供おっさんでしょ! ってそんなやりとりしに来たわけじゃないんやけど。
あねご‥はいはい、そしたら子供おっさんちゃんさん何があったか言ってみなさいな。
テツ‥中野サンプラザくん君的な? っていつまでこのノリ続けるんや!
まーええ。勝手に本題に入るわ。
関西のおしゃれモンスターのシルクねーさんは、20歳以上年下の彼氏と別れる時に「私が彼女やと彼が子供を欲しいとなった時に要望にこたえられないから…」と言ったんやけどあねごはどう思う?
あねご‥うーん、私はシルクさん全面支持ね。相手のことを考え過ぎなくても…との意見の人もいると思うけど私はシルクさんは賢明な女性やと思うよ。ただし、そうして身を引くのはとっても辛いことやし大人やし勇気もいることやから誰にでも出来るわけではないわね。
テツ‥そーですか。そしたらもう今日の話は終わりです。
あねご‥なんでやねん!どないやねん!おじゃまします!
テツ‥最後のおじゃましますは無理くりでしょ。ホンマ大阪の女はオチをつけたがるよな。
あねご‥ははー、私にダメ出しするとは大した根性やな。今日の料金払う宣言乙。
テツ‥すいません。あねご、二度とたてつきません。だから払ってちょ。
あねご‥子供おっさんちゃんさんはまだ懲りてなさそうなんで私から軽ーいダメ出し2〜3連発しとくね。
大体物事なんかわね、ほとんどは2択なのよ。右へ行くか左へ行くかの繰り返しがあるだけ。
自分で勝手に10も20も選択数を増やしてるだけで、ある意味2択の選択の繰り返しなんてバカでも出来るのよ!人生なんて所詮一か八かでしかないのよ。あんた散々博打やっといてそんなこともわからないの?
ただしね、本当のバカは2択のどちらが正解かの根拠を持たない分全部が運任せなのよ。
それとね、アンタはいつも出会いがないと言ってるけど、毎日むやみに走る位なら大阪城公園を毎日決まった時間の決まったコースを走ってればいやでも女性ランナーと親しくなれるのよ。
心の中では計算付くでも知らん顔して「いつもお会いしますね」とか適当に言っときゃいいのよ。
結局、人生は戦略と自信がものを言うし、テクニックはどんなことにも必要なのよ。
テクニックとの言葉が気にいらないなら「努力」という言葉に集約しときなさい!
後は、寂しいとか切ないとかのたまってる暇あったら家中掃除せぇやボケ!と天の声が言ってるみたいね。ホホホ。
テツ‥あれ?気分は20〜30連発なんすけど。でもいつもアドバイス助かります。あねごにはいつも世話になりっぱなしです。
あねご‥能書きはええからアンタの本業の競馬の予想でもしてちょっとは儲けさせなさいよ!
テツ‥(小声で)あのー京都第9Rの梅花賞のワールドインパクトの単勝なんかどうすかね。
あねご‥は?聞こえないんですけど。 で、何倍つくの?大きい声で!
テツ‥(大声で)1.4倍位。
あねご‥おとといこいや!
そんなこんなでさらに説教は続き、テツのまぶたが閉じかけた頃にお開きになり二人は店を後にした。
どうやらウワサではあのKちゃんにいい人が出来たとか出来てないとかだそうでテツは眠れない夜を過ごしたようだ。